評価と口コミに関するネット情報判断力

世の中の多くの人々はさまざまな評判に惑わされます。

それはもちろん、真っ当な評価をすべきものもあるものの、特にインターネットの世界においては情報や事象を正しく理解し、それが正しいものかどうかを判断あるいは自身の受け止めを俯瞰して理解できる能力であるネット情報の判断力、すなわち「ネットリテラシー」が絡みますが、これは相当に難しい問題であり、多くは理解しつつも影響されてしまうことも多い社会問題の一つとなっているのが現実です。

弊社のような中小企業はもちろん個人であっても、今やこういった知識を蔑ろにできる時代ではありません。
そこで、こういった評価や口コミに関しての考えを少し綴ってみたいと思います。

例えば最近で話題となったのが、評価点数による損害に関する裁判で話題になったグルメ系口コミサービス。

匿名の一般ユーザーが飲食店の口コミを投稿して掲載し、その口コミ時の評価点数を非公開のルール(アルゴリズム)で点数化し掲載するサービスです。

この場合、投稿者は任意の匿名個人であり、自身の訪問先の多数のレストランなどについて、「個人の主観で」ありながら、さながらグルメライターかの様に評価をして記事を投稿します。

これにはその筆者となる投稿者のレベルがAIなどによる先の非公開のルール(アルゴリズム)で評価されていて、察するところの構造的には一般閲覧者からのフォロワー(ファン)の数や、閲覧者から投稿記事への「いいね」などでさらに投稿記事の価値は高まり、さらにはその他の要因(例えば検索頻度や表示回数など)といったその投稿記事に対する状況もが勘案されて評価が決定され公開される仕組みになっていると考えられるのがポイントでしょう。

そこには運営者側の「意図」が働いているという疑惑がつきまとい、この「意図」こそが独禁法に絡む裁判などを引き起こす原因ではないでしょうか。

つまりその「意図」は非公開としてもそのルール(アルゴリズム)を超越して、運営側の誰かが特定の店の評価を好きに操れてしまう可能性があることにあるのです。

もちろん運営側は、非公開のルール(アルゴリズム)の妥当性や公平性について訴えることでしょうが、そこには悪意を以てあるいは図らずも低評価とした、とある投稿者の評価もが含まれてしまうことにも問題はあります。

また、飲食店舗などにとどまらず様々な企業について、ネット上の地図サービスや様々な就活情報サイトなど、一般の誰もが評価や口コミを投稿できる場面も多くなってきています。

もちろん運営側は一定の削除規定などを設けて対応はしているものの、一般企業は飲食店とは異なりファンがわざわざ高評価を投稿する構造にはなりにくく、とくに就活などにおいては退職者などが以前の職場に対する不満や不服を述べる場所のようにもなっていたりするのが現状であります。

多くの企業側が思っているであろうこととして、恐れず申し上げるなら、コソコソと隠れて悪口を並べずとも面と向かって話してほしいということでしょう。

情報の取捨選択を毎日のように迫られる情報が氾濫している現代は、ある意味異常だとは思いますが、時代の流れの一つとして受け入れていかなければなりません。

誹謗や中傷を誰でもが一瞬にして多くの人々に発信できてしまう時代。それでもまだ様々なプロパガンダも存在し、間違った思考を持ってしまう時代。

私たちは静かに目を閉じて、偏らずに優良な情報を選択して取り入れ、不必要な情報から耳を遠ざける、なんとも気苦労の絶えない世の中に生きているのだなとも思いますが、これからの世の中では知っておかなければならない自分を守るためのスキルであったりもするのかなと思うのです。

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