現場を守る基礎知識|天井クレーン・ジブクレーン・ホイストクレーンの検査実施ポイント

クレーンを安全に運用するために必要な自主検査と性能検査を伝える注意喚起用のアイキャッチ画像

クレーンを安全に使うためには、日々の点検や定期的な検査が欠かせません。
特に天井クレーン・ジブクレーン・ホイストクレーンは、工場や倉庫で広く使われる設備であり、現場の安全に直結します。
この記事では、クレーンの自主検査と性能検査の違い、そして現場で実施すべきポイントを分かりやすく解説します。
安全管理担当者や点検業務に関わる方は、ぜひ最後までご覧ください!!


天井クレーンを点検しているイラスト

クレーンを安全に使い続けるためには、定期的な検査や点検が必要です。
大きく分けると、次の2種類に分類されます。

  • 性能検査:労働安全衛生法に基づき、登録検査機関(外部機関)が行う検査。
  • 定期自主検査:日常点検・月例点検・年次点検など、使用者が自ら行う点検。

「法律で決まっているからやる」のではなく、事故を防ぎ、仲間を守るための習慣として実施することが大切です。
この記事では、現場で多く使われる天井クレーン・ジブクレーン・ホイストクレーンを中心に説明します。


クレーンとは、500kg以上の荷物を動力で吊り上げ、水平に運搬することを目的とする機械装置のことです。
もし不具合があれば、重大な事故につながりかねません!

小さな異常でも、見逃すことで大きな故障や事故の原因となります。さらに、自主検査は法律で義務付けられています。

  • 労働安全衛生法 :事業者は設備を定期的に自主検査し、記録・保存しなければならない。(法律)
  • 労働安全衛生規則 :クレーンは日常点検・月例点検を行うことが規定されている。(厚生労働省の省令)

また、点検記録は3年間保存する義務があります。


性能検査は、つり上げ荷重3トン以上のクレーンに義務付けられた検査です。
対象は天井クレーン・ジブクレーン・ホイストクレーンなど。

実施者:労働基準監督署長の登録を受けた外部検査機関
頻度:2年に1回
検査内容:荷重試験、制動装置の確認、構造部材の点検、安全装置の機能確認など

自主検査では見つけにくい性能面や耐久性の問題を確認し、事故を未然に防ぐことが目的です。


日常点検(毎日)

  • 始業前に実施
  • 操作スイッチ・ブレーキ・ワイヤーロープ・フックを確認
  • 異常があれば、すぐに報告して使用を中止する

月例点検(1か月に1回)

  • 現場リーダーや安全管理者が中心に実施
  • 電気系統、潤滑状態、摩耗や変形をチェック
  • 点検記録を残し、3年間保存する

年次点検(1年に1回)

  • 荷重試験などを含めた詳細点検を実施

📌 参考:厚生労働省「クレーン等安全規則」では、日常・月例点検の実施が義務化されています。


クレーンの点検のチェックリスト
  • ワイヤーロープ:素線切断、腐食、キンク、直径減少、形くずれはないか
  • フック:曲がりや変形、安全装置の不具合はないか
  • ブレーキ:正常に停止できるか
  • 操作スイッチ:ON/OFFや緊急停止が正しく作動するか
  • リミットスイッチ:フックが上がりすぎないか、安全装置が機能するか

👉 「見逃すとどうなるか?」を具体的に示すと理解が深まります。
例:ホイストクレーンのワイヤーロープを点検せず使用し破断 → 荷が落下し作業員が負傷。


  • 自主検査は3年間の記録保存が義務
  • 性能検査も同様に結果を保管する必要あり
  • 記録は紙でもデジタルでもOK
  • 記録内容の例:点検日、点検者の氏名、点検内容、異常の有無、対応状況

記録は「やった証拠」だけではなく、再発防止や安全教育の資料としても役立ちます。


クレーンの安全の注意喚起のイラスト
  1. 点検や検査は「機械を見る」だけではない
     → 自分や仲間の命を守る行動です。
  2. 分からないことは必ず確認・報告
     → 小さな不安を放置しないことが大切です。
  3. 点検軽視の現場ほど事故リスクが高い
     → 形だけの点検ではなく、確実な実施を習慣化しましょう。

📌 事故事例
ホイストクレーンのフック安全装置を放置 → 玉掛けワイヤーが外れ荷が落下し作業員が重傷
点検記録が未記入 → 事故後に会社の管理体制が指摘され、法的責任を問われた


天井クレーン・ジブクレーン・ホイストクレーンの安全を守るには、
日常の自主検査定期的な性能検査を組み合わせることが不可欠です。

  • 定期自主検査 → 現場の日常習慣として安全文化を作る
  • 性能検査 → 専門機関による性能確認は、法律で義務付けられた運転を保証するライセンス
     ※ただし、性能検査をクリアしたからといって油断せず、自主検査こそ真の安全を守る要です。

この2つを両立させることで、事故を防ぎ、安心してクレーンを運用できます。
今日も一日、ご安全に!


クレーンの安全と効率を守るには、日々の点検と定期的な検査が欠かせません。
現場にあった適切なメンテナンスでサポートをいたします。
当社は大阪を拠点に置き、関西一円を中心にお客様のニーズに合わせた

最適なご提案とお見積りをいたします。
関西エリア以外からのご相談にも柔軟に対応しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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